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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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一本の矢

takanabe2010-02-18



世の中にまだないものを作っているとき、結局のところそれは何?みたいなことが、一言でスカッと言えるようになった瞬間に、物事の落としどころがすっきりと決まる。ふわふわとしているいろんな要素(現象)を、ある角度から放ったたった一本の矢がすべて射抜くようなそういうイメージ。アイディアとは要素の個々じゃなくて、そういうもの。


「現象」って言葉の対義語は「本質」だそうで、僕にとってそれは駄じゃれにも似たタイトルだったり、ロゴデザインだったり、一枚の図だったり、誰の身にも覚えのある観念だったりする。モノヅクリは、それを探しに行く旅のように思うときが多くて、毎回必ず正解にたどり着けるわけではなく、森で迷ったまま抜け出せないでタイムリミットに迎えてしまうこともある。でもそうやって苦しんで出した結果が、迷ったままなのに褒められたりすることもあるし、「明確な答えだ!」とすっきりして笑顔で森を抜け出たつもりでいたら、自分だけだったってこともある。


自分の中にある現象を一回すべて出し切らないと、いつも本質には向かい合えない。現象とは、手癖や、マイブームや、固定観念、決め付け、みたいなもの。だから、決め撃ちで1つのアイディアだけを詰めていける人は僕にとってはうらやましくもあり、傲慢な自信家のように思える。僕にとってのデザインって、自信がない自分の思念や行動に、確信を持ってGOを出すまでの旅なのかもしれない。ゲーム作りが箱庭セラピー的な要素を持つのもそのせいかもね。