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たかなべが、ゲームやそれ以外の関心事を紹介します。

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体験版パラドックスの続き

takanabe2008-01-11



昨日の話しには続きがある。今後、ゲーム機も常時接続が当たり前になる時代になるとして、PCでいうところのカジュアルゲームのビジネスモデルの割合は上がってくると思う。カジュアルゲームって言うのは、ゲーマーとは言えない主婦層だとかが、暇つぶしに遊ぶ無料のパズルゲームがたっくさん置いてあるようなサイトのことで、無料でもかなりの部分を楽しめるんだけど、課金すると、完全版ですべてのモードを遊べるとか、起動するたびに毎回広告を見なくていいみたいなアドバンテージがあるようなつくり。1000人遊びに来たら2人ぐらいが課金するらしい。その額は大体1ゲーム10〜20ドル。


で、昨日僕は、体験版を遊んだからってパッケージソフトを買ったことがないという話をしたんだけど、カジュアルゲームに限っては話が逆になる。というのも、この場合、無料体験版がないとすべてが始まらないつくりだからだ。


・ゲームに思い入れがあるとは思えない人たちに向かって
・面倒くさくない手順でゲームのルールを完全に理解させ
・完全に面白さを理解させた段階で「ね? 課金してみても良いでしょ?」って聞く


ゲーム自体の作りも全然違う。基本、マウスの左クリックだけで完結するし、マウスから手を離しても、クリックをしない限り、永久にゲームオーバーにはならないようなものばかり。ゲームのテンポにプレイヤーがあわせるんじゃなくて、ゲームがプレイヤーのテンポに合わせる。


たったワンクリックの操作に対して、うまくいった場合、これでもかと言うようなど派手な演出でプレイヤーを褒め称えていい気持ちにさせる。運要素でうまく行った時でさえ、「あなたには勝利の神様の導きがあるね!」って感じに褒め称える。


逆にゲームオーバーになったときも、「残念でした」とか「あーあ」みたいな演出は御法度で、「次こそうまくいくよ!」と励ますような終わり方をするものが多い。


しばらくそういうゲームをプレイしていたら、「あー、これ、失恋とかして引きこもりたい時に遊ぶと良いかも」って思い始めて、それが何でか途中で分かった。


つまりはホストクラブとおんなじなんだ。自尊心がぐらついているぐらい寂しいときに、肯定され、褒められ、数少ないアクションに驚くほど共感して盛り上げてくれて、賞賛される。最初はなんでこんなに無駄に派手なの?って思うんだけど、1時間もやってるうちに感覚が麻痺してきて、最後に出てくるお会計(課金してみない?)に対して、「まぁ、値段もすごい高いって感じじゃないし、サービスとしては悪くないかもね」って思い始める自分を確認したよ。おー、すげー。


もちろんこれから先の未来、すべてのゲームがそこに向かうわけじゃないし、その必要もないけど、いろんな人のいろんなすき間時間にゲームが自然に浸透していくために、体験版のあり方や意味が、どんどん変わって来てる時期なのかもなっていう、そういう本題でした。