猿の惑星 ― Planet Of The Apes (初回限定盤) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: DVD
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ティムバートンの猿の惑星をDVDで見ました。リメイクじゃなくてリイマジネーションだ、とか言うので、なんなんだよ、と思ったけど、原作をなぞっただけじゃなくて新しい解釈が入ったよってことをいいたいみたい。見る前に前作をふまえたいくつか課題があった。
・『猿の惑星』という名作映画はみんな知っているので、猿が出てきてもびびらない、どうする?
・ラストのドンデン返しがあの映画の印象のほとんどだった気がするけど、どこでどう驚かす?
・2001年というタイミングを選んで作る意味は?
まー、そんなとこだ。で、見ました。前半が眠かった。CMを見るととにかく猿が少年ジャンプのアクション漫画のように飛び掛ってきて、ギー!って睨んで、みたいな動的な印象があったんだけど、アクションは全体を通して控えめに思えた。前半は猿の惑星に不時着しました→そこは猿の文明がこんな風に栄えた星でしたって説明で、それがたるかった。もっと『北斗の拳』みたいな世紀末的絶望感とか、ありえないぐらい派手な暴力を勝手に期待してた分、地味に感じてしまった。あー、猿ですねって感じ。特殊メイクがすごいな、ミヤケイッセイみたいなプリーツの衣装がかっこいいな、そういう印象。でも後半が面白かった。前作の自由の女神像にあたる「絶望」ががーんとやってきて、うわまじどうしようと思ったら、もうそっから先はティムバートン節のギャグ路線に。ここがリイマジネーションなのかな。「絶望」を「希望」に変えていく為の彼の突飛なセンスが、底抜けでおっかしかった。このままじゃ終わらないよって、いたずらっ子が舌を出している感じがした。そこはもっとボリュームを裂いてよかったように思う。もっとセンスを炸裂して欲しかった。といっても全体の半分はそれに費やしているわけだから、相当な自信だったと思うけどね。ボーナスディスクでメイキングなどの裏方を見ることが出来た。あそこのシーンがもっとこうだったら良かったのに、とか、こういうシーンを入れて欲しかったよなって、最初は思っていたけど、やっぱり裏方を見てしまうと、努力と忍耐の積み重ねの上に監督の妥協のなさが乗っかって初めてフィルムができるんだなーってことが伝わってきて、何を思っていたのか忘れてしまいそうになった。アウトプットがどうであれ、真剣じゃない現場なんてひとつもないんだな。そういうことを思いました。あと猿の惑星で囚われていた人間の美女が胸の谷間やふとももをあらわにしているだけで、ストーリー上、何の役にも立ってないところが印象的でした。『ドリヴン』の時もストーリー上、何がしたい人なのか訳のわからないセクシーちゃんを演じていた彼女だけど、仕事はもう少し選んだほうがいいような気がします。