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はてなダイアリー版(1995〜2018)の過去ログです。更新はありません。

映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

タイトルの勢いがよいので、それにどう応えるんだろうと思っていたら、想像以上に面白かった。これは田舎のコミュニティの話だ。都会のコミュニティは個々のゆがみに対してお互い無関心を装ってるんだけど、そのゆがみが表出してしまうとき、やさしいぶつけ方が分かり合ってるわけではないので吸収のされようがなくて残酷な目の遭いがち。それに対して田舎のコミュニティって極端に狭いがゆえに無関心が存在できず、個々のゆがみを全体で吸収しあってなんとなく成立してる部分があって、一見ゆがみにやさしいんだけど、こっちは長期的な意味で救いようがないグロテスクな行き詰まり感を感じる。この映画はそのグロテスク部分をある家族にスポットを当てて、記号的なぐらいに、性格を書き分けた作品。よくよく考えると見終わって得たメッセージ的なものなんて何にもないんだけど、配役がどんぴしゃな群像劇って見ててそれだけでその世界に入っていける気がして好き。72点。